2011年6月4~5日 茶摘み&茶作り

【1日目】6月4日(土)

今日は梅雨の晴れ間。いつも天気には恵まれますね。さいはらは前回訪問の時より、木々の緑が色濃くなっています。
早速コミュニティハウスに荷物を置き、サツマイモの苗を植えに畑に向かいます。マルチカバーの上から穴を開け、サツマイモの苗を斜めに植えていきます。これは土の中でのサツマイモの成長の仕方を考えてのことだそうです。
今日は初めてファミリーでの参加者がいらっしゃいました。5歳のT君がいるとあり、地元のK君は張り切っています。地元のお兄さんらしく、野いちごを取って分けてあげるなど、いろいろ世話を焼いてくれていました。

 

畑仕事の後は、原地区の「花の里」に移動して、昼食。地元のおばさまたちが打ったそばと新茶葉の天ぷらを頂きます。
お腹が満たされたところで、川沿いを歩いて、いよいよ茶畑へ。原の山の斜面に広がる茶畑には、爽やかな風が吹きぬけ、太陽の光に照らされた茶葉が鮮やかな緑色を誇っています。
実はこの茶畑、5年前まで荒地の中に埋もれていたそう。それを地元の皆さんの手で復活させ、今のような見事な茶畑が姿を現しました。長い年月の労苦と手間を経て、今日の茶摘みの日を迎えることができたのですね。
そんな思いのつまった茶畑で、武原久二さん指導の下、上の薄緑色の新芽の部分(一芯四~五葉くらい)を指で挟んですーっと上に引きながら、摘んでいきます。簡単そうにみえるのですが、なかなかスムーズには摘めないものですね。それでも黙々と茶葉を摘み、次々とカゴが一杯になっていきます。どこからか「夏も近づく八十八夜…」の歌が聞こえてきます…。(八十八夜は立春から数えて88日目の5月初旬頃ですが、ここ西原は涼しい気候なので、一ヶ月遅れのようです。)


さて、カゴ一杯になった茶葉を持ち帰り、新聞紙の上に広げて水分を飛ばします。その間に、ヒノキの間伐材でマイ茶箱作り。師匠は建具職人の横瀬悟さんです。予め切って頂いた木片をボンドで張り合わせ、飾り釘を打ちつける作業は、一見簡単そうですが、まっすぐに張り合わせるのは結構難しい!そんな時は、師匠に一声かければ、歯先を微妙に調整したカンナで削ってくれます。
いつの間にか作業に夢中になり、自然に会話が生まれ、和やかなムードが漂っています。最後に茶箱の蓋に思い思いの絵を書き、完成~!!とても素敵な記念になりました。明日、この中に新茶を詰めて帰れると思うと、ワクワクしますね。


その後、コミュニティハウスに戻り、お待ちかねの夕食です。いつもながら、山の恵みをふんだんに使った地元のお母さんたちの手料理がテーブルを埋め尽くしています。外食続きだった私の胃袋も喜んでいます。その間に初めての五右衛門風呂に入ります。薪で温めたお湯は何て柔らかで、体の奥まで染み入るのでしょう。まるで細胞のひとつひとつが生き返るようです。そして、今夜の交流会も自己紹介をしながら、熱いトークが繰り広げられ、西原の夜はふけていきます…。

 

 

【2日目】6月5日(日)
翌日はいよいよお茶づくり。私たちが着くと、既にセイロからあがった茶葉が熱々の湯気を出しながら、広げられています。朝早くから武原さん始め、会津さん、桑原さん、降矢さんたちが炭火を起こして、焙炉(おじさんたちはホウロと言っていましたが、ネットで調べるとホイロという言い方が多いそう)の火入れ作業をしてくれました。
焙炉は、畳一畳分、腰の高さくらいの四角い作業台で、下からの炭火で加熱された鉄板の台に乗せられた茶葉を乾燥させながら、手揉み作業ができるよう工夫されています。昔は3軒に一台あったという焙炉を交代で使い、自家用のお茶を作っていたそうです。家族総出(親戚も)の作業は夜遅くまで続き、辺り一面お茶の芳しい香りで包まれていたことでしょうね。その焙炉を残したいという思いで、おじさまたちの手で復活させ、再び日の目をみることができました。

 

焙炉の周りを皆で囲み、思い出話などをお伺いしながら、茶葉が焦げつかないよう手で返す作業を休みなく繰り返します。茶葉の熱で掌を赤くしながら作業していると、茶葉が落ちる時の音がサラサラ…という音に変わってきたのが分かります。そして、手揉み作業を経た後、篩で選り分けて、約3時間後、最初のお茶ができあがりました!

 

お待ちかねの試飲タイム。前日の茶摘みから、手間暇をかけて、やっと飲める状態になりました。感慨ひとしおです。でも、長い期間をかけて荒れた茶畑の再生から関わってきたなら、その思いは比べ物にならないことでしょう。口の中一杯に新鮮で苦味のない甘い味わいが広がる新茶を皆で頂ける至福の時が過ぎていきました…。

 

茶畑の復活と昔ながらの道具、焙炉の復活が集結した今回のお茶作りは、まさに「手仕事を学ぶ、手伝う、伝える」を体現したような活動だった気がします。そんな活動を今後もいろいろな方と関わり合いながら、続けていけたら嬉しいです。

 

今回も貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

 

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