2012年9月1日 そばの土寄せ

ちょうど種まきから2週間経ちました。

さすが成長の早いそば。

既に10cm20cmくらいに茎を伸ばしていました。「10cm20cm」というのは、種を植えた時の畝の深さによってなのか、成長具合に違いがあったからです。自分たちの畑は何とも個性が出ておもしろいですね…。

 

 さてさて今日の作業は、そばが倒れないようにするために、土を寄せること。これから訪れる台風シーズンにも耐えられるようにしておかなければなりません。早速、鍬を使って、盛夫さんが見本を見せてくれます。優しく、そしてリズミカルに、でも確実に土を寄せていきます。土の中に伸びた根を傷つけないように、10cm程脇に鍬を入れていきます。一見簡単そうに見えるこの作業、実は、鍬を入れる角度、持ち上げる高さ、土の中を移動させる距離、微妙に揺らしながら寄せていく具合等、熟練の技が必要そうです。後で自分の作業風景を動画でチェックしてみたところ、鍬を入れる角度が悪いせいか、土をまったく捉えていないことが分かりました。ちゃんと土寄せできているのかどうかかなり怪しいですが…。畑仕事は単純そうに見えますが、やってみると実は奥が深いことがたくさんありますね。今年で三度目の作業のはずですが、年に一回の作業では、なかなか経験を生かせておらず、先生泣かせで、すいません…。

 

 そうこういいながら、全ての畝の土寄せ作業を終えたところで、怪しかった雲行きが本格的に怪しくなり、雨が降ってきました。急いでびりゅう館に駆け込み、軒下できゅうりをかじりながら、雨宿り…。今回は何とびりゅう館特製「せいだのたまじ」の真空パックが初お目見えし、感動の声をあげてしまいました。小腹が空いた時にパクッと口に入れるのにちょうどよい「せいだのたまじ」。その同じ味が手軽に手に入るなんて、芋好きにはたまりません。素敵な商品を開発してくれて、ありがとうございました!

 

 それにしても一向に止む様子のない雨…。屋外での作業はあきらめて、急きょ中川さん宅で「もろこし饅頭」を作らせて頂くことにしました。中川さん宅には、「雑穀の社会史」の著者である増田昭子さんがいらっしゃっていました。直前にちょうどこの著書を話題にしていたので、あまりの奇遇さに驚きましたが、小菅村で開催の「雑穀研究会シンポジウム」に参加するため訪問されたそうです。

 

 もろこし饅頭には、「甲州もろこし」の粉を使います。「甲州もろこし」は山梨の山間地で古くから栽培されてきた、伝統的なとうもろこしですが、近年は栽培する人が減り、幻のとうもろこしと迄言われているそうです。西原では軒下に吊るされている光景をたまに目にしますね。今回初めて茹でたものを食べましたが、普段食べ慣れているとうもろこしより粒がしっかりしていて、甘みと水分が少なく、ねっとりもっちりした歯触りでした。

これを粉にしたものと、小麦粉を合わせて、熱湯を掛け、箸でなじませていきます。(雑穀の場合は必ず熱湯を使うらしいです)手で触れるくらいまで覚めたら、手を使ってこねていきます。まとまってきたら、手で薄く延ばして、丸めた餡子を入れて丸く形を整えて、約20分蒸したら出来上がり!

 

 湯気の立ったアツアツの饅頭を団扇で仰ぐと、みるみるうちにツヤツヤ光ってきました。金の卵のようになった饅頭は、ちょっとひび割れているけれどそこはご愛敬。ふわっとした皮の饅頭とは違い、ずっしりと密度が濃く、雑穀の存在感がありながらも、素朴な味わいで、ちゃんとお腹を満たしてくれるものでした。

 

 縁側からの青々とした山の景色が、立ち話をしているおじさんの借景となり、時折窓から涼しい風が入ってきて、何とも気持ち良い午後の時間を過ごしました。くるみちゃんにおとなしくちょっかいを出されている猫のチビも、素敵な光景に一躍買っていましたよ!

食いしん坊の私はこれを書きながら、「甲州もろこしを使って、次はトルティーヤを作ってみたい」と早くも考えています。そうしながら、伝統的な食材を守っていけたら、一石二鳥になるかな、いや、皆で食べたら三鳥になるかな…等と一人ワクワクしています。

 

(byれんこん)

 

参加者:7名  

 

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