2012年10月13日-14日 落花生の収獲&西原ふるさとまつりお手伝い

「天高く馬肥ゆる秋」、皆さま如何お過ごしでしょうか。私も馬と同様、秋の食欲に任せて日に日に肥えています…。久しぶりの西原は、そんな天高く爽やかな秋晴れに恵まれました。

西原に下り立つと、川沿いの紅葉は色づき、小学校の柿は赤い実をつけ始め、秋の訪れを感じさせてくれました。その川沿いには、竹製の手作り灯篭が並び、ふるさと祭りの準備が着々と進んでいる様子。初めてのふるさと祭りにワクワクする気持ちを抱きつつ、まずは落花生の収穫に向かいます。

◆1日目

 落花生の名産地、千葉県出身にもかかわらず、見聞きするもの全て初めてのことばかり。受粉した後、花のもとにある子房柄が根のように伸びて地中に潜り込み、子房がふくらんで地中で実を作ること、花が落ちたところにさやが生まれるところから、落花生という名前がついたこと等、今回初めて知りました。収穫は株の脇に鍬を入れて、手で丁寧に引き抜いていきます。たくさんの子房柄の先にジャラジャラと実をつけている新鮮な落花生。サヤは白っぽく、湿り気を含み、中を開けてみると内側にある白いスポンジのようなもので、実がすっぽり包み込まれていて、実をはがすのが大変です。はがした実を生のまま口に含むと、ほんのり甘みがあり、新鮮な落花生の味が広がりました。収穫した落花生はサヤをひとつひとつ摘み取り、ダブルとシングルに選別し、水で土を洗い流して、干すために広げておきます。今回、落花生の種植えから参加しただけに、収穫は格別な思いでした。一粒の種からこんなに多くの実ができるなんて、自然の恵みは実に神秘で、ありがたいものですね。

 

 びりゅう館で昼食を頂いたら、次はコミュニティハウス裏へ「冬ぶせ」用の草を刈りに行きます。秋の陽の光を浴びて白く輝くススキの向こうに広がる、西原の景色を横目に見ながら、鎌を使って刈っていきます。私は無駄に鎌を振っているらしく、なかなか生産性を高めることができません。どうやら、鎌の刃の当て方にポイントがあるようです。左手で茎を掴んだら倒して、その部分に刃を当てれば、繊維に添ってうまく刈ることができるそうです。刈り取ったススキは胴体程の太さに縄で束ねて、担いで下ろします。大変な作業でしたが、肉体を酷使して何かを成し遂げる感覚が、ただ単純に気持ち良かったです。そして、仲間同士力を合わせて作業をすることで、「結いの精神」を少し味わえたような気がしました。こうした実践を通して、今後も少しずつ作業の根底に流れる「精神」を知ることができたらとても嬉しいです。集落に響き渡るふるさと祭りのリハーサルの音楽をBGMに、思いのほか作業がはかどりました。

 

 その後、びりゅう館に移動し、前夜祭の準備のお手伝い。今回私たちは、おでん、イカ焼き、こんにゃく等を販売するNPOさいはらのお手伝いをすることになりました。

 

 夕日が沈み、薄暗くなった頃、小学生たちが竹灯籠に火を灯しに回り始めました。販売の準備がひと段落して、辺りを見回すと、西原の集落に夜の闇が下り、辺り一帯が優しい光を放った竹灯籠の幻想的な雰囲気に包まれ、ため息が出てしまう程でした。

 

 ステージでは、三頭太鼓の皆さんの迫力ある太鼓が繰り広げられ、いよいよ祭りがスタートです。目を凝らすと、その中に先ほどまで祭りの準備をしていた見慣れた方の姿があるではないですか。普段私たちに見せる顔の表情と違って(すいません…)、太鼓を叩く彼らの顔は真剣そのもの。文化継承の担い手ともいえるそのたくましい姿を眺めながら、西原の方々は、実にいろいろな顔を持っていて、一人が幾つもの役割を果たし、いろいろな関係性の中で生活しているのだなぁと改めて実感しました。「真の豊かさ」とは、「関係性の豊かさである」ならば、この地域の方は当たり前のように、その中を生きている方たちなのですね。地域に根を張り、いろいろな役割の中で生きている彼ら。竹灯籠が灯る夜の山里に響き渡る太鼓の音を聞きながら、人間の存在理由は「貢献」と「伝承」だと以前聞いた話を思い出し、ステージ上の彼らにわずかな嫉妬心を抱いている自分がいました。

 

 ステージではその他にも、歌や踊りが繰り広げられ、いつもは静かな西原の夜がとても賑やかに過ぎていきました。

 

 さて、販売の方ですが、夜はぐっと冷え込み、おでんが飛ぶように売れ、上々の滑り出しとなりました。帰ってから頂いた、ゆず酒と塩ゆで落花生の美味しかったこと…。取れたてだからこそ、味わえた贅沢な食べ方ですね。翌日の忙しさも知らずに、ほろ酔い気分で、床に就きました。

 

◆2日目

 いよいよ、ふるさと祭り本番。今日も天気に恵まれそうです。私たちはびりゅう館のレジ、厨房、外のテントでの販売に分かれ、お手伝いをすることになりました。今年は豪華ゲストがやってくるとあって、来場者も多く、会場はフル回転。トイレやレジには長蛇の列ができ、びりゅう館のレジ係となった私は、10時頃から15時過ぎまで、息つく暇もないほど、泣いている暇もないほど、ひとすらレジを打ちまくっていました。きっと顔からは笑顔が消え、必死の形相をしていたに違いありません。(怖い顔をしていたら、すいません!)

 

 そんな訳で、外の様子がどうだったか全く分かりませんが、大きな問題もなく、祭りを無事に終えることができてほっとしました。祭りを支える一員として、地元の皆さんと一緒にこの苦しい局面を乗り越えることができたことで、また少し距離が縮まっていればこんなに嬉しいことはありません。私たちが帰るときに、わざわざ地元の方が見送りに出てくれたこと、そして、三頭太鼓のメンバーに誘ってくれたことで、一気に疲れが吹っ飛びました!ありがとうございました。

 

れんこん

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